部下が期待通りに動かなかったとき、あなたはガッカリしたり、不満を感じたりすることはないだろうか?
もしそうなら、ぜひこの問いを持ってほしい。
それは「願い」だったのか、「期待」だったのか?
願いと期待は、似て非なるもの
「もっと成長してほしい」「自分から動いてほしい」「もう少し視座を上げてほしい」、リーダーが部下に対して抱く想いは、往々にして漠然としている。それが願いなのか期待なのか、自分でも気づかないまま持ち続けていることが多い。
しかし、この二つは本質的に異なる。
願いとは、相手への祈りのようなものだ。叶えばうれしい。でも叶うかどうかは、最終的には相手と状況次第。願いは開示してもしなくても構わない。叶わなかったときは、あくまで「願いだった」として現実を受け止めることが大事。
期待とは、相手との確約に近いものだ。「こういう行動をとってほしい」という具体的なリクエストから成立する。だからこそ、期待は正しく渡さなければならない。そして、渡した上で、サポートする責任も生まれる。

「言わなくても気づいてほしい」という落とし穴
「言わなくても気づいてほしいんだよ」
こういう声を、リーダーたちから何度か聞いたことがある。かつての自分もそうだった。伝えなくても伝わること、言葉にしなくても察してもらえること、そこに美しさすら感じていた。
でも、これは落とし穴だったと気づけた。
何も伝えなければ、それは所詮「願い」でしかない。
願いとして持つのであれば、叶わなかったときに相手を責めることはできない。「なぜわかってくれないのか」「なぜ動かないのか」と感じるとしたら、それはリーダー自身の内側の問題であって、相手の問題ではないのだ。
期待なら、ちゃんと渡す
もしそれが「期待」なのであれば、やることは2つ。
まず、言葉にして渡す。「こういう行動をとってほしい」「こういう場面でこう動いてほしい」と、できるだけ具体的に伝える。曖昧なまま渡された期待は、相手にとっては存在しないも同然だ。
次に、サポートする。期待を渡すということは、相手がそれに応えられるよう支援する責任を負うということでもある。リソースを整え、フィードバックを返し、壁にぶつかったときに一緒に考える。それが期待を渡したリーダーの仕事だ。
問いを持ち続けること
ガッカリしたとき、不満を感じたときに、一度立ち止まってこう問いかけてほしい。
これは願いだったのか、期待だったのか。
もし願いだったなら、叶わなかった現実を静かに受け取ろう。相手を責めず、自分を責めず。
もし期待だったなら、それを正しく扱おう。渡して、サポートして、結果に向き合う。
この問いは、自分のリーダーシップをクリアにするためにある。願いと期待を混同しないこと。それだけで、チームとの関係性はきっと変わっていく。