ふりかえりの「場の設定」って、何するの?

先輩のアジャイルコーチからも、「場の設定をしっかりすることで、ほぼうまくいくかが決まってくると」と教えてもらい、意識的に色々と試すようになりました。
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ふりかえりの「場の設定」って、何するの?

このブログは、ふりかえりアドベントカレンダーの15日目のエントリーです。

ふりかえり(表) Advent Calendar 2023 - Adventar
2023年のふりかえりに関すること全般のアドベントカレンダーです。 ふりかえりに関連することでしたらなんでも構いません! 「2023年をふりかえってみた話」から 「ふりかえりの手法に関する話」まで、 思い思いに年末に向けてふりかえりをしていきましょう。 こちらがすぐ埋まってしまったので、ふりかえりたい方向けにもう1つカレンダーを作っています。よろしければこちらにどうぞ - [ふりかえりAdvent Calendar 2023(裏)](https://adventar.org/calendars/9213) 過去のAdvent Calendarはこちら - [ふりかえりAdvent C…

皆さんふりかえり、していますか?

誰かとふりかえりをしている方は、どれくらいいるでしょうか?

一人で行うふりかえりと、チームで行うふりかえりでは大きく違うなぁ、と思うのは「場の設定」の有無だと思っています。

先輩のアジャイルコーチからも、「場の設定をしっかりすることで、ほぼうまくいくかが決まってくると」と教えてもらい、意識的に色々と試すようになりました。

スクラムマスターを始めたばかりの頃は、場の設定と言われても具体的に何をすればいいのかわからず、本やブログを読んでただプラクティスをなぞるようなことしかできない時期がありました。今では少し意識的にできるようになったので、まとめてみようと思います。

場の設定とは、何を目的としたステップなのか?

場の設定で行うのは、文脈設定です。

チームの目線を合わせるような情報をシェアします。

具体的にはどんなことをシェアして文脈設定するのか?

下記は私が今までシェアしてきた物の一部です。

・スクラムマスターがふりかえり手法を選び準備している場合は、なぜそれを選んだのか

・ふりかえりのやり方を変えた場合はどんな効果を期待して変更したのか

・みんなで答えたい問いを設定してふりかえりをする場合は、なぜその問いを持ってきたのか

・みんなと試してみたい手法があるので、一緒にやりたい(観察をしていて大きな問題がないとき)

・大きな挑戦をチームでしたので、挑戦からの学びを祝い&振り返り、次に繋げたい

・チームがプレッシャーを感じてタスクをこなすことに意識が行っているようなので、ポジティブに次のスプリントを始められる雰囲気を作りたい

・チームの今の状態がよくわからないので、みんなの近況を教えてほしい

などなど

スクラムマスターとして働き始めた当初は、スクラムマスターとして観察してわかったことをどのような形でチームに伝えたり、どの程度意図的でいていいのかわからない時期がありました。

最近は意図がない存在なんてないし、スクラムマスターにはしっかりとアカウンタビリティーがあるので、常にチームに対して「私は何をする人なのか?」「今回のレトロはどんな背景があって今回のように準備をしたのか」という点についてしっかりと自分の言葉で伝えるようにしています。

※伝える際は「ここがダメだからチームがそこに向き合えるように」のような評価的な言い方はしません。見えたチームの言動(事実)と仮説をシェアして「話し合ってみない?」のように提案するイメージです。もし、その内容が個人的だったりネガティブな場合は、DMや1on1などで本人と話をし、まずはレトロに持ってきてみないかを提案します。個人のトピックとしてよりレトロのテーマのように扱いたい場合は、場の設定の文脈設定の際に盛り込むようなイメージです。

チームと過ごす時間が取れなかったり、オンラインで全然チームの状況がわからない場合もあったりしますよね。

そんなときは、下記のような質問をしてレトロの時間の使い方に関して目線を合わせるというようなこともします。

  • レトロの時間が終わったらどんな状態でいたいか?
  • この60分をどのように使いたいか?
  • この時間に期待することは何か?

このような質問をしてレトロのゴールを明確に共有しておくと、レトロのファシリなどに対してのフィードバックももらいやすくなります。

リマインダーも使ってみる

スクラムガイドには、スクラムのフレームワークにおけるレトロスペクティブがどんな場であるのかが書いてあります。

スプリントレトロスペクティブ
スプリントレトロスペクティブの⽬的は、品質と効果を⾼める⽅法を計画することである。

スクラムチームは、個⼈、相互作⽤、プロセス、ツール、完成の定義に関して、今回のスプリ ントがどのように進んだかを検査する。多くの場合、検査する要素は作業領域によって異なる。 スクラムチームを迷わせた仮説があれば特定し、その真因を探求する。スクラムチームは、ス プリント中に何がうまくいったか、どのような問題が発⽣したか、そしてそれらの問題がどの ように解決されたか(または解決されなかったか)について話し合う。

スクラムチームは、⾃分たちの効果を改善するために最も役⽴つ変更を特定する。最も影響の ⼤きな改善は、できるだけ早く対処する。次のスプリントのスプリントバックログに追加する こともできる。

スプリントレトロスペクティブをもってスプリントは終了する。スプリントが 1 か⽉の場合、 スプリントレトロスペクティブは最⼤ 3 時間である。スプリントの期間が短ければ、スプリン トレトロスペクティブの時間も短くすることが多い。

ガイドを暗記している位のチームはいらないかもしれませんが、特にスクラムを始めたばかり、もしくは新しく入ったチームメンバーがいるときよくやるのがリマインダーです。

シンプルにスクラムガイドの中に書かれているレトロのwhy, what, howをかいつまんでシェアします。スクラムガイドに馴染みがない場合は、サクッと読み合わせてもいいかもしれません。

一体何をシェアすればいいのか、そもそも何のために行うのか、大切なことなので何度でもリマインドしていきます。

私がこれまで支援してきた、どのチームでもよく起こるのが、プロダクト自体の改善トピックをレトロで話してしまうことがよくあります。

ずっとプロダクトに集中しているので、自然なことではありますが、プロダクトの改善点はレビューやプランニングで取り扱いたいことなので、パーキングロットに移したり整理する必要があるでしょう。ここで一つ注意が必要なのが、プロダクトのことだと思ったら話を聞くと情報共有やコミュニケーションのことだったりするので、話を聞く前に決めつけず話を聞いてから、同意を得てパーキングロットに移すことをお勧めします。

今回のブログでは、ふりかえりの場の設定と、私がよくやるリマインダーについてお話ししました。

色々と試行錯誤しているところなので、全てのスクラムマスターに参考になるかは分かりませんが、少なくとも初心者の頃の自分は知っておくとレトロの準備がしやすくなるなと思ったのでブログにしてみました。

皆さんのふりかえりが、ポジティブなものになりますように!

Have a nice retrospective!

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