No more 変な遠慮!

こんにちは! こちらは2023年スクラムマスターAdvent calendarの1日目の記事です。ぜひ他の記事もご覧になってください。 今回の記事では、私がスクラムマスターを始めてしばらく感じていた「変な遠慮」についてお話ししたいと思います。もし似たような状況にいる方がいたら、助けになるかもしれない!と思い、書いてみます。 この、変な遠慮によって私はスクラムマスターとしての自分自身の振る舞いに制限をかけ、チームへ働きかけを行いにくい状況を作り出していました。この変な遠慮を自覚し始めたのは、人類学を学び始めてからで、克服したのは3ヶ月の案件でチームの立ち上がり支援を行ったことがきっかけでした。 この3ヶ月の案件では、ほぼ全員がスクラム未経験のチームを支援することになりました。私以外まだ誰も、スクラムマスターが何をする人なのか、スクラムのフレームワークがなぜこのような構成なのか、スクラムが実現しようとしているアジャイルな状態とはどんな状態なのかを知りませんでした。 そんな彼らに対し、週に2日という限られた時間の中でアジャイルとは、スクラムとは、また、このフレームワークを効果的に使い
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こんにちは!
こちらは2023年スクラムマスターAdvent calendarの1日目の記事です。ぜひ他の記事もご覧になってください。

今回の記事では、私がスクラムマスターを始めてしばらく感じていた「変な遠慮」についてお話ししたいと思います。もし似たような状況にいる方がいたら、助けになるかもしれない!と思い、書いてみます。

この、変な遠慮によって私はスクラムマスターとしての自分自身の振る舞いに制限をかけ、チームへ働きかけを行いにくい状況を作り出していました。この変な遠慮を自覚し始めたのは、人類学を学び始めてからで、克服したのは3ヶ月の案件でチームの立ち上がり支援を行ったことがきっかけでした。

この3ヶ月の案件では、ほぼ全員がスクラム未経験のチームを支援することになりました。私以外まだ誰も、スクラムマスターが何をする人なのか、スクラムのフレームワークがなぜこのような構成なのか、スクラムが実現しようとしているアジャイルな状態とはどんな状態なのかを知りませんでした。

そんな彼らに対し、週に2日という限られた時間の中でアジャイルとは、スクラムとは、また、このフレームワークを効果的に使い成果を出していくには日々の働き方をどのようにアップデートしていかなければいけないのかを考え、試行錯誤してもらわないといけませんでした。

幸い、メンバー達はとてもまっすぐ私が手渡す言葉を受け取り、わからないことは聞いてくれる素晴らしいメンバーたちでした。

そんな彼らとのやり取りを持ち続けることで、私は毎週彼らに会う前に行う準備の中で自然と「私はなぜここにいるのか?」をしっかりと自分の中で確認した上でコーチングの計画を立て、フォーカスを決め、ワークショップやラーニングセッションの準備を行うことができました。そして、実際に彼らと向き合うときは、「私は何をミッションとしてここにいて、それを実現するために今日こんな具体的な活動をします。その活動をもっと効果的でみんなの役に立つものにするためにみなさんのフィードバックが必要なので、たくさん教えてください!」というコミュニケーションができるようになっていました。

人類学を学び始める前私は、スクラムマスターは観察によってチームや組織を理解し支援するのだと考えていました。「観察をして、しっかりと対象を分かるまで介入はなるべくしない方がいい、あまり意図的な発言はしない方がいい」そんなふうに考えていました。そんな状態から人類学を学び、参与観察に出会います。参与観察では、関わりながら観察をし、対象を分かろうとします。対話を通して関わり続けることで見える世界は、観察のみで対象を分かろうとしていた頃から比べると情報量がまるで違いました。この頃から、それまで自分が持っていた変な遠慮の存在に自覚的になっていきました。

対話しながらチームの中に入って観察を行うことに慣れてくると、実に様々なことがチームの中では起こっているのだということに気が付かされます。もっと知りたければ会話をするし、なぜやるのかがチームのなかで曖昧であれば会話の機会を促すし、私のチームに対する振る舞いの根底にある「スクラムマスターのアカウンタビリティ」をチームが受け取りきれず意図が伝わっていないというサインがあれば、なぜスクラムマスターとして私がそのように振る舞うのかをしっかりと伝えます。

このように、かつて私の中にあった変な遠慮は、今は影を潜めています。もしかしたら帰ってきてしまうかもしれませんが、そんなときはこのブログを読み直そうと思います。

チームと向き合い支援をする際、自分の中に変な遠慮がモヤモヤと広がっているなと感じたら、みなさんもぜひ「私はなぜここにいるのか?」に対する自分答えをしっかりと持ち、チームと共有してみるのをお勧めします。きっと変な遠慮が消えやすい環境が作り出せると思います!

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