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日本市場参入におけるユーザ・リサーチ事例
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yamanecoは、デジタルプロダクト・デザイン開発事務所ustwoと共同で、ロボット掃除機の日本市場ローンチにおけるアプリ開発をサポートいたしました。インタビューの設計・実施と並行したDIY競合分析を通じ、日本在住ユーザーからの受け入れ性および国内の特殊な環境や居住空間への適合性について評価・分析しました。ustwoとの綿密なやりとりの元、日本市場に向けたインサイトの抽出、コンセプトスケッチの提出とアプリの改善提案を行いました。

現地ユーザーへのインタビューを含む定性的リサーチの様子

目的

クライアントは今まで日本市場での定量的なリサーチは行ってきましたが、具体的なユーザー環境や課題は把握しておらず、居住環境に対しては畳がある・家が狭いなどの漠然としたイメージは持っているものの、さらに異なる未知のニーズがあるのではないか?と感じていました。
今回、アプリで駆動させるロボット掃除機のリリースに向け、本国で採用されている既存アプリが日本国内で対応できるのか、致命的な問題や地域特有の課題は何かを探り、アプリの機能追加やユーザビリティ向上の指標とするために、定性的なデータを得られるユーザーインタビューを設計しました。

プロセス

yamanecoはustwoと協力し、インタビュースクリプトの作成と実施を担当しました。私たちがインタビュー対象として設定したのは、ロボット掃除機を現在使用している・購入意欲のある日本在住者で、インタビューを行いました。

洞察を生成するデザインプロセス

インタビューではユーザーの居住環境、家族構成、掃除に対する意識やニーズについてヒアリングを行いました。後で、既存アプリのローカライズプロトタイプ(違和感なく操作できるよう翻訳したもの)を用いたインタビューで、ユーザービリティの問題点を明らかにしました。インタビューでは固定のアンケート項目で情報を洗い出すだけではなく、ユーザー個別の意識や生活行動についてより深く知ることで、共感性を得ることも目的としています。

また、インタビューと並行でDIYリサーチ(実機の試用を含めた競合調査)も行いました。ユーザー数の多いロボット掃除機ブランドからアプリ付きのモデルを4種試用し、日本で販売されているロボット掃除機の基本的な機能や使い勝手、国内での評判やレビューを比較してまとめました。

リサーチを通して得た情報はシンセシスボードに反映し、グループ化をしながら共通する意識やニーズ、新たな発見の洗い出しをしていきます。最終的に、日本家屋の構造等の住環境の差による課題、参加者の掃除傾向から判断される、ロボット掃除機に対する認識の差による課題など、キーインサイトに絞り込みました。

左:参加者のデータを分析したシンセシスボード 右:テーマからインサイトを抽出していった図

アウトプット・成果

クライアントへはプロトタイプに対するユーザビリティレポート、インタビュー結果を受けた考察と、キーインサイトのほか、今後のコンセプトスケッチを含むアプリの改善提案を提出しました。レポートはクライアントに対し、よりリアリティを持って現状の課題をイメージできるようにストーリーテリングの手法を利用し、コンセプトスケッチとともに報告しました。

報告物には日本市場でのリリースに向けた戦略立案と、アプリの重要な問題点を指摘するフィードバックを含んでおり、クライアントの日本市場進出に対する戦略決定に対し重要な役割を果たしました。今回のプロジェクトは短期間で行われましたが、クライアントからは集めたデータ・分析について高い評価をいただいています。

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